連載 スタッフおすすめブログ 第97回
連載 スタッフおすすめブログ
2021/09/19
究極の裏方仕事
「も~も~らんど」には皆さんご存じのように牛がたくさんいます。
その殆どは乳用種(ホルスタイン種)でおよそ70~80頭います。
動物を飼っていくうえで、避けて通れないものの中で最も悩ましいのが糞の始末ですね。
人様の場合は「トイレでジャー」で解決!ですが牛はそういうわけにはいきません。
「も~も~らんど」に居る牛はまだ出産前の若い雌の牛ですが、この牛たちの糞の量は1日1頭当たり約25kgです。放牧地に糞を落とす分がありますので、処理すべき糞の量は1日当たり1,000kgを超える量です。凄い量ですね。
「も~も~らんど」ではこの牛糞を発酵させて完熟堆肥を作っています。
まず牛糞を干して水分を下げ、他の家畜(馬や羊)の敷料と混ぜて水分調整をして積み上げます。私たちはこの積み上げを「山」と言っています。
発酵は微生物が糞の有機物を分解する現象ですが、発酵が進むと「山」の内部温度が上がってきます。うまく発酵が進むと2週間後には70℃を超えます。
完熟堆肥へ向けての第1歩です。
次に、微生物の活動で「山」の中の酸素が少なくなってきますから、酸素補給のために「山」の切り返しを行います。この切り返しを2週間ごとに行い、さらに発酵を進め、約4か月後には不快臭は消え、パラパラの完熟堆肥が出来上がります。
発酵温度が70℃を超えた完熟堆肥は病原微生物や雑草の種も死滅していますので、安心して利用できます。堆肥は万能肥料ではありませんが、家庭菜園や園芸での土つくりにはとても有効な材料です。
「も~も~らんど」ではこの堆肥を場内の牧草畑に撒いて利用していますが、「も~も~らんど」の売店や「も~も~らんど」の外でも販売もしています。
堆肥の製造期間中は毎日、温度を計測して記録しています
愛情込めて、袋詰め作業は手作業で行っています
「やっかいもの」の有効利用にご協力をお願いいたします